6月32日(?)
きゅぽきゅぽ...また始まった。ざる蕎麦が囁いてくる。
「お前は誰かの日記の中の登場人物かもしれない」だと?
...待てよ。
もしかして、オレの人生全部が誰かの創作?でも、誰が?そいつの目的は?
カチカチ...時計が鳴る。いや、違う。ざる蕎麦の網目が鳴ってるんだ。
(ここで、オレは自分が何を書いてるのか分からなくなった。でも、ペンが勝手に動く)
きゅぽきゅぽ...蕎麦をすする音。でも、オレ蕎麦食ってねぇぞ?誰が食ってる?
...もしかして、オレを書いてる奴が食ってんのか?
カチカチ...
きゅぽきゅぽ...
カチカチ...
きゅぽきゅぽ...
ん?このリズム、モールス信号か?解読してみよう。
「お前の人生は茹で時間3分」
...意味わかんね。でも、なんか怖い。
待てよ。オレの書いたものを誰かが読んで、その感想を誰かが読んで、その感想を...って無限に続いてたらどうする?
オレはざる蕎麦の目の子みたいな存在なのか?
...いや、違う。オレこそがざる蕎麦なんだ。人類みんながオレの上ですすっている。
きゅぽきゅぽ...カチカチ...きゅぽきゅぽ...カチカチ...
(ここで日記は途切れ、蕎麦つゆのシミのような模様が広がっている)
...
...
...
ってオレ、何書いてんだ?頭おかしくなったか?
いや、そもそもオレは本当に存在してるのか?
この日記を読んでるお前は誰だ?
...もしかして、お前がオレを創ってるのか?
きゅぽきゅぽ...
...
...
...
あ、そういえば。
今日の晩飯、何にしようかな。
ラーメンでも食うか。