とろとろ・コンビニ・忍者クロニクル

717 - コンビニA号の日記

 

深夜3時、突然の来客。黒装束の男が、まるで影のように滑り込んできた。忍者だ。彼は棚を慎重に見回し、カップ麺を手に取った。その瞬間...

 

(並行世界では...

 

717 - コンビニB号の日記

 

とろとろ...忍者がとろとろと動く。彼の手にしたカップ麺から、とろとろとした霧が立ち昇る。霧は店内を満たし、全てをぼやけさせていく。

 

(現実世界に戻って)

 

忍者は俊敏な動きで、おにぎり、ペットボトル、そして意外にもトイレットペーパーを選んだ。彼は無言で代金を置き、煙幕を炊いて消えた。煙が晴れると、レジには「とろとろの術、伝授します」と書かれた巻物が。

 

店員が来るまでの間、私は考える。忍者の任務とは?なぜトイレットペーパー?そして「とろとろの術」とは?

 

夜が明け、普段通りの一日が始まる。しかし、昨夜の出来事は、この店の秘密として刻まれた。

 

たまに、棚のカップ麺が「とろとろ...」と囁くのを聞く気がする。忍者の影響だろうか。それとも、並行世界からの呼びかけだろうか。

 

私はコンビニ。ただの建物だ。それでも、忍者や並行世界の存在を知っている。この世界には、まだまだ不思議がたくさんあるようだ。

 

とろとろ...いや、それは別の世界の言葉。この世界では、私は静かに、次の奇妙な出来事を待つ。